Harunancha diary

ロボット系大学院生の活動の記録。

【読書】人間+マシン AI時代の8つの融合スキル(2)

パート1がやっと終わったので書く。

 

基本的な流れとしては、第3の波“適応力のあるプロセス”というのは、従来の作業のうち機械でできることを置き換えようっていう第1→第2の“人間→機械”という変化と違い、人間と機械が絡み合うようなシステムとなるため、ゼロから再設計する必要がある。ということ。

 

 

それについて様々な領域における事例が紹介されていきます。

 

まず、工場では、協働型ロボットが求められます。同一環境内で、センサを使って人とぶつからないようにしながら単純作業・重作業を行う。そうすることで、人間はより繊細な作業に集中することができます。また、ロボットに作業を学習させたり、メンテナンスを行う仕事が創出されると。

 

自分は学部3年のときの研究室が“安全”に関するロボット研究室だったので、この関係の研究をしていたので少し期待してたけど、聞いたことあるような話だったなー。

 

 

次に、サプライチェーンにおいては、AIによる予測・最適化を行う。また、ロボットによって倉庫を管理することで、在庫を抑え、倉庫の小型化も図れるとのこと。

 

 

また、農業分野では、精密農業というものが生まれているそうです。工場に栽培トレーを積み上げ、そこでセンサを使って環境管理、栄養管理を行う。これにより省スペースで安定的に作物を提供できます。

 

でもこれどこが人間+マシンだったんだろう。

 

 

そして、人事においては、採用の際にゲームによる分析や、ビデオ面接の映像解析によって性質や傾向を推定し、それにより適性が確認された場合に人間による面接が行われるといった仕組みがあるそうです。それにより時間が大幅に短縮され、採用担当は、より重要な面接にリソースを割くことができます。

 

ちょっと冷たい世界ですが合理的。

 

 

最後にR&D、研究開発における人間+マシン。

例えば、Quidというシステムは、AIを使ってアイデアの探索・発見を支援するツールです。テキストデータからアイデア同士の関係を推定し、アイデアのネットワークを生成するシステム。これにより新しい技術トレンドの発見などを支援します。

また、製薬会社では、危険な飲み合わせに関する研究について。従来は2つの飲み合わせを一つずつ実験検証し、論文を書き、と2年かかっていました。それを、AIにより様々な飲み合わせをシミュレート、提案することで研究者を支援することで、3か月で同等の成果を出すことに成功しているそうです。

他にも、論文をIBMワトソンに解析させ、最新情報を効率よくまとめる事例も紹介されていました。

 

結構この、R&Dにおける事例が一番おもしろく読めました。たぶんここが一番マシンが入ってきていない領域だから。自分はソフト系のロボット研究室にいるけど、作業はほんと人力って感じ。それで地味なとこで引っかかって、エラー解決はネット検索頼み。

プログラム自体をきれいに修正してくれて、エラーの原因も検索して解決案をまとめてくれたらすごく速くなりそうなのになーと思うときがある。てかプログラミングしなくてよくなるでしょそのうち、と思っている。

別に研究者になる気はないけど、全体からしてかなり効率が悪い部分だと思うから、これに関してはかなり期待だなー。

 

 

とこんな感じでパート1は事例紹介がほとんどでした。それぞれよく聞くレベルで、「うん今の技術レベルならできそうだね」という感じで驚きはなかった。しかも、それぞれの事例が企業ホームページの一番簡単な説明くらいの表面的なもので。

自分的には、どんな手法使ってどういう大変な部分を乗り越えて実現したのかとか、“ゼロから再設計”するということだったから、どういう経緯でそれができたのかを知りたかったな。

 

 

全体的に、経営者視点しかなく、技術者視点、労働者視点をもう少し取り入れてほしいと思う。広く浅くでおもしろくない。

パート2は、人間+マシンの今後を占い、必要な新しいスキルのフレームワークを考えるといった内容なので、少し期待。